抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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セファロスポリン誘導体の一種cephachlomezine(CEC)とm-chlorophenyl-acetamidocephalosporanic acid(m-Cl-PACA)を
14Cでラベルし,ラットにおける代謝運命をたん汁中排せつと血清たん白結合に重点をおいて調べた。m-Cl-PACAを筋肉内注射後48時間で投与放射能の約40%がたん汁中に排せつされたが,抗菌活性は1.6%しかなく,かなり代謝を受けることがわかった。m-Cl-PA-CAをミカンのアセチラーゼで酵素分解し,さらにそれをラクトンの体として結晶状にとり出して抗菌スペクトルを調べたところ,元の化合物より抗菌活性は弱かった。
14C-CECを筋肉内注射後48時間の尿中に60%以上が,たん汁中に約15%が抗菌活性を持ったままの形で排せつされ,あまり代謝を受けないことが示唆された。血清中のCECは約99%がたん白結合型で存在しているのに反し,m-Cl-PACAの血清たん白結合率は約70%であり,セファロスポリン骨核の3位置換効果によって両者の生体内挙動にこのような変化が起ったものと考えられる。一方,
14C-CECを経口投与後24時間の尿中には投与放射能の約13%が排せつされるが,抗菌活性は2%以下であり,かなり代謝を受けていた。ペーパークロマトグラフィ-およびろ紙電気泳動で分析すると未変化CECの他に抗菌活性を持たない2つのピークが得られた。これら2つのピークの比率は時間の経過すると増加するが,その構造は不明である