抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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成熟した雄のPekin duck Anas domesticusの赤血球からDEAEセファデックスを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより二つのヘモグロビンを得た。これらのヘモグロビンは赤血球内における量が6倍の差があり,またその構成グロビン中のアミノ酸組成も異なることがわかった。量の少ない方のヘモグロビン中のグロビンは,そのアミノ酸残基の数が多く,とくにアスパラギン酸とグルタミン酸が多かった。このようにグロビン中の酸残基による差が,元のヘモグロビンのイオン交換クロマトグラフィーにおける挙動の差の原因と考えられた。in vitroで赤血球によるグリシン-2-
14Cおよび
59Feのヘモグロビンへの取込みを調べた結果,量の多いヘモグロビンへの取り込みは量の少ないヘモグロビンよりも速度が早いけれども,その合成完了はむしろ遅かった。第二鉄形のヘモグロビンは溶液中でヘムを交換するが,赤血球中では交換が起こらなかった。このことは第二鉄形ヘモグロビンが別の細胞に限局されていることを示している(木村俊夫)