抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
この論文は脳のミクロゾームの生化学的特徴について(1)脳組織の細胞内粒子成分,(2)脳ミクロゾームの脂質,(3)脳ミクロゾームATPase,(4)脳のリボゾームといった項目にわけて,筆者らの研究成果を中心に解説した総説である.脳組織の細胞内粒子成分には他の臓器にみられないミエリン鞘や神経末端などが存在し,特に神経末端にはアセチルコリンを含むシナップス小胞が含まれ,その機能が注目されている.また,脳組織では特徴的に無機イオンやアミノ酸が細胞膜を介して,細胞内に能動的に蓄積される.そして脳のミクロゾーム分画に存在するATPase活性とイオンの能動輸送系との関連が追求されている.一方脳の膜成分に含まれるりん脂質の分布やその代謝回転にも幾つかの特徴があり,膜成分の重要な構成成分としてのりん脂質の役割も今後検討されるべき問題であろう.最近脳の核酸やたんぱく質の代謝が記憶との関連において注目されているが,この面からもリボゾームを含む脳のミクロゾーム分画の研究が期待される;図11 表5 参40(著者抄録)