抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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子宮けいがんを対象として,放射線照射前後の細胞核DNAを顕微分光測光法により観察し,以下の如き結論を得た。(1)子宮けいがんの放射前におけるDNAのHistogramおよび平均値は,従来から言われていた如く,正常組織と異り一般に増加していると言ってよい。(2)放射線照射後の核DNAの変動には,患者の年令,臨床期別および組織型分類などの上で格差があるとは認め難い。(3)放射線量が3000R以下のばあいには,DNA Histogramのpatternは,放射前よりも高値または右方にむしろ移動し,DNA平均値もまた高値を示す。この現象は,特に組織学的レベルで照射効果を認め難い以前に明らかであることが注目される。(4)放射線量が3000R以上に達すると,DNA-Histogramは放射前よりも左方に移動し,DNA平均値も減少する事が多く,細胞死の増加が明らかとなる。(5)この様な放射線照射以後の核DNAの推移現象は,放射線による細胞死の機序として説明が可能であると思われ,この現象を利用して,けいがんの放射線感受性検査の上で,なんらかの寄与をもたらし得ることが期待される