抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ハスモンヨトウを完全不妊にする線量よりも低い2Krと16Krの
137Csガンマー線をよう化7~9日目に照射し,羽化した雄を無照射雌と交尾・産卵させ,それから発生したF
1およびF
2世代の固体を飼育して,幼虫・さなぎの発育状態や,羽化した成虫の交尾・産卵の状態を調べた。1.F
1幼虫は2Kr・16Kr照射区とも,幼虫期間が無照射区より長いが,特に雌においてその差が明らかである。さなぎ期間は大差がないが平均値は短かい傾向を示す。2.F
1のよう化率も羽化率も無照射区のそれより低く,その低下の割合は16Kr区が2Kr区より大きい。16Kr照射区において羽化率低下度の雌雄間差異は雌が大きく,性比は雌の割合が少ない(0.353)。3.F
1さなぎの体重は一般に照射区が雄雌とも軽い。4.ガンマー線照射区のさなぎより羽化したF
1世代雄・雌は一般に無照射区より交尾をする傾向が強く,その産卵数は無照射区のものと同様に多い。5.それらの組み合わせ(F
1♂×F
1♀)の卵のふ化率は16Krで0か,または非常に低い値を示し,いわゆる“Inherited sterility”が認められる。しかし2Kr区では無照射区と同様高い。無照射雄が16Kr区のF
1雌と交尾すると(U
♂×F
1♀),やはり0か,かなり低い値を示すふ化率が得ちれる。しかしF
1雄が無照射雌と交尾(F
1♂×U
♀)した場合は,ふ化率がしばしば高いのでその平均値は前者ほど低くはならない。6.16Kr区のF
1♂×F
1♀,U
♂×F
1♀およびF
1♂×U
♀の各組み合わせより発生したF
2世代の幼虫は発育途中,特に1・2令期に死ぬものが多く,よう化するもの少なく,羽化はさらに少ない。わずかに羽化したものは交尾せずに,または交尾してもふ化しない産卵をする場合が多い(原報)