抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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液体シンチレーション(LS)計数法のための,シンチレータ溶液および試料調製法についていろいろの種類,組合せのものが開発されているが,測定の標準化,測定結果の相互比較を行なう上において,いくつかの統一された方法を確立する必要がある。本報では,生物試料を対象にして,すべての試料に適用できるような標準的シンチレータ溶液,試料調製法を確立する目的で,いろいろのシンチレータ溶液,試料調製法の長所,短所を比較検討した。シンチレータ溶液は文献に報告されている17種類のカクテルを選んだ。テストの対象とした各試料および試料調製法にたいして上記の17種類のシンチレータにおける計数効果を比較した。固形生物試料にたいする溶解剤は,Hyamine-10X,NCS,Soluene-100のような第四アンモニウム塩基のものが最良と考えられているが,使用上においていくつかの制限があり,また消光効果,化学発光を伴なうことに注意を要する。軟組織に対する上記溶解剤の相対的溶解能力は,Hyamine1,NCS3,Soluene5であった。軟骨等の試料は60%過塩素酸と30%過酸化水素の溶液を使った湿式燃焼法によって最も良い結果が得られる。水溶液試料および生物分泌液にたいする種々の試料調製法およびシンチレータカクテルの有効性を比較した。ジオキサン系のカクテルは,水を40%程度混合することが可能である。エマルジョンカクテルは,含水容量が高いこと,消光効果が小さいこと,懸濁液にたいしても適用できる等の利点があり,水溶液試料および生物分泌液の測定にも有用である(山下幹雄)