抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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前の章では高エネルギー光量子による放射化分析の研究を記した。そのときは,とくに酸素の定量に際して他の不純物の妨害を受け易く,短半減期のため化学分離も不能である。荷電粒子を用いれば,酸素はよく定量できる。荷電粒子による放射化分析では,試料中の不純物濃度を算出するにあたって,既知の励起曲線を用いる絶対法と,標準試料を用いる相対法がある。第3の方法として,等価厚みという考え方を導入して用いた。等価厚みとは,荷電粒子の飛程より厚い試料中に生じた生成核種の量を,入射時の粒子エネルギーに対するその反応の断面積で割ったものであり,実験的に簡単に求められる。44MeVのα粒子を用いて,
12C(α,αn)
11C,および,
16O(α,2n)
18Ne→
18F,
16O(α,pn)
18F,
16O(α,d)
18Fによって,炭素と酸素の定量をおこなった。マイラの薄い箔を用いて,まず反応生成核の反跳飛程を求め,つぎに,励起曲線を測定した。分析感度は,炭素が10
-3μg,酸素が0.5×10
-3μg程度である。
9Be(α,2n)
11C,
19F(α,αn)
18Fは,おのおのの場合に妨害反応となる。照射後,試料表面を少くとも5mg/cm
2だけ除き去り,高純度けい素の分析の場合には化学分離を行って酸素含量を求めたところ,9ppmであった。また,陽子を用いた,
18O(p,n)
18F,
16O(p,α)
13N,
12C(p,γ)
13N,
13C(p,n)
13Nによる放射化分析についても考察した