抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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宮崎県大淀川水系において昭和38~9年におけるサツマイモでんぷん廃液の流入によって起こった河川汚濁の実体を調査し,その機構を明らかにした.大淀川流域には79の工場があり,約300,000tonのサツマイモを処理している.これら処理サツマイモ成分に由来する可溶性有機物(糖,たんぱく質など)による第一次原因と,それをもとにして発生した汚水生物群の群体断片が浮遊物となって懸濁し,汚濁測となっていた.時期的には11月下旬が汚濁の頂点であった.その際魚類や,し料生物は全滅的にへい死し,また表流水を原水とする上水道水汚濁の原因ともなった.大淀川水系の汚濁の推移は上流から下流に向って汚濁強度が拡大しており,これを汚濁区域前線と名ずけた.河水の流下にともなう自浄効果は,下流に次々流入する廃液でその限界をこえていた.汚濁の程度をそこに発生する汚水生物の消長との関係から生物学的に5つの段階に分けた.すなわち第1期は200greaおよび他の好気的そう類が表われて来る,第2期はCarbhesiumが,第3期は最も汚濁のはげしい時期でSphaeroutilusが大いに繁殖する,第4期は川床の堆積物が分解する時期でH2Sを発生し,Be-ggiatoaが指標である,第5期は回復期でアオミドロが表われる.