抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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腹水がん細胞を動物より集めTyrodeの溶液で洗い,1:1の細胞浮遊液をつくり照射を行ない,照射後種々の時間におけるグリシン-1-
14Cの細胞内および外の濃度比を調べた。照射にはX線(250KV,30mA)を用い,663R/minの線量率で総線量0,3,6または10KRを照射した。照射直後においてはグリシン濃度の量比には影響は現われないが,照射後時間がたつにしたがって細胞内と外の濃度差は減少した。減少の程度は照射線量の高いほど大きかった。死亡した細胞の数をエオシンによるdye-exclusion techniqueで調べたところ,細胞内と外の濃度差の減少を説明するにたりるほどの生残細胞数の減少はみられなかった。0°Cにおけるグリシンの流入を調べたところ照射後変化することはなかったので膜の透過性が障害をうけ細胞内にグリシンを高濃度に貯わえることができなくなってしまったのではないと言える。また細胞の年令が大きくなるとグリシンの輸送は小さくなることが知られているが,本実験で調査した時間内(照射後150時間以内)では無照射の細胞では細胞内と外のグリシンの量比に変化はみられなかった。以上のことより,照射後の細胞内外のグリシン濃度差の減少はグリシンの能動輸送系が障害をうけたためであろうと考えられる(山元こう二)