抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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照射を受けた細胞が生活環のどの時期で死に至るかを解明することが増殖細胞の死を導出する生物学的機構を正しく理解する上に,必須であるという立場で実験を行なった。マウス白血病のL5178Y系細胞に1000Rのγ線照射を加えたのち,細胞数,M期およびS期にある細胞数百分率,エオシン可染細胞数百分率およびG
1からS期およびSからG
2期へと進んだ細胞の割合を
3H-チミジンによるオートラジオグラフ法によって照射後の異なる時期において調べた。その結果L5178Y細砲に対する放射線の急性効果はG
2閉塞およびDNA合成の抑制であった。G
2閉塞によって細胞が蓄積されるため,その後閉塞が解除されると分裂頻度のピークが2時点で観察された。第2のピークでは細胞数が増大していない場合には巨大細胞が見出された。エオシンによる染色性は常に分裂のピークの後に最大となった。エオシン染色性をもって細胞死を判定する限り被照射細胞が分裂期において死ぬことはなく,1または2回の分裂を経過したのちG
1期で死ぬことを示していた。エオシン可染性の増大が細胞G
1からSへの進行の阻害と期を一にしていることから,増殖細胞の死については,細胞がある時期から次の時期へと進行する能力を不可逆的に失なうことだという新しい定義の可能性を示唆している;図7表2参30(石川 統)