抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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パイルG.3から燃料要素を取出す方式として,”Sinex”と呼ばれる燃料要素輸送装置が使用されている。”Sinex”は輸送される燃料要素から放出される放射線を遮蔽するため,コンクリートで内装された建家に設置されている。燃科要素の輸送後は,冷却用CO
2の放射化による放射線と,装置の内部汚染にもとづく放射線の影響が残るがそのレベルは比較的低いのが普通である。1962年4月9日,被覆の破れた燃料要素を輸送した結果,”Sinex”が汚染して放射線量率が1m離れたところで5R/h以上にもなった。本報ではこの装置の汚染除去作業とそのときの放射線防護について述べている。第一段階の除染としで”Sinex”からウラン粉末を吸引装置で吸塵したが,ほとんど効果はなかった。次いで非イオン活性剤に泡末阻止剤を加えた洗浄で除染した。次にしゅう酸と酢酸の温溶液で洗い,最後にDTAで除染した。この作業にあたっては,周到な防護対策をとっている。放射線レベルの高い所の除染には鉛の遮蔽体を使用したり,作業者の数を増やして交代で作業を実施したり,作業時間を規制して被ばくを少くするなどの防護処置をとっている。作業は防毒マスク防護服を着用しておこない,特に足の防護では布製の靴の上にビニール製の靴をはき,その上にさらに布製の靴をはいて高所作業でのすべり止めに意を払っている。このようにして放射線レベルを下げたのち,局部的に残存している汚染部分について”Sinex”を分解して除染した;写4図3表2(井上 義教)