抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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固相のホットアトム化学研究の問題点の一つは試料の溶解で、反跳化学種が試料の溶解により溶液中で安定化学種に変化するため,固相における真の分布を求めることは難しい。固体試料を適当な溶媒に溶かし反跳化学種が安定な化学種へ変化する様子を速度論的に追求する方法が固体における反跳化学種の分布を求めるために有効であるかどうかしらべた。照射した試料を有機溶媒に溶解してすぐ抽出した場合のリテンションは分離条件に無関係に一定である。水相に抽出された化学種のうち,0.1N塩酸で溶離されるフラクションの収率が高いのは反跳Crイオンのしゅう酸錯体が生成したためであると考える。この実験条件では,Cr
3+としゅう酸イオンとの錯形成反応は起こらないので,この収率の増加は反跳Crイオンかあるいは非常に不安定なCr
3+としゅう酸イオンとの反応に起因するためであろう。4N塩酸で溶出されるフランクションはCr
3+であるが,担体と
51Cr標識化学種の溶出挙動が異なるので必ずしも単純なCr(H
2O)
3+6として存在していないように思われる。リテンションは結晶を有機溶媒に溶解した後,およびターゲットのアニーリング後の放置時間と共に増加し4N塩酸の溶出フランクションは減少する。0.1N塩酸溶出フランクションはほとんど変らない。前述の結果からCr(AA)
3系で有機相中の化学反応の解析および熱アニーリング反応が反跳原子の再結合反応に非常に有用な情報を与えるものと考えられる。詳細は近く発表の予定(河村正一)