抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地下水の中のトリチウム含有量を測定するためには,トリチウムを濃縮する必要がある。それには,水の中に電解質を入れて電流を通すことによってできる。H
2OはHTOに比べて35倍も速く分解するので,大量に電解したあとに残った水はトリチウムが濃縮されていることになる。この報告では電解濃縮についての理論的な取り扱いを行なっているが,これはこの実験室で行なった経験にもとづくものである。水を電解したとき,水素がトリチウムよりも速く発散する割合(相対散失率β)は電極の材質・表面条件とか温度,電解質それにおそらく電流密度によって変わる。この割合がもっとも大きくなるのは,ニッケル陽極と純鉄陰極を水酸化ナトリウム溶液の中で用いたときである。(0°Cでβ=35)再現性についても検討しており,βが大きいと濃縮係数を大きくするだけでなく再現性もよくしていることが分かった。電解そう中での熱散逸の式および電源整流器の平滑しない出力を使用した場合の電流と熱散逸についての式を与えている。放射能計測については,比例計数管および各種シンチレータの計数装置を用いた場合の比較を行なった。このシステムの性能比較は,サンプル放射能の測定誤差と単位期間あたりの測定件数で表わされる。理論的設計では,1週間あたり40個のITU(1トリチウム単位=7.18壊変/min/∫)サンプルを10%の標準誤差で測定できるシステムが製作可能である。非常に低いレベルのものを測定する場合には,電解濃縮における再現性に欠けるために精度がおちる。実験室中の水蒸気による汚染のため,1TU以下を測定する場合には採集から計測までのサンプルの取り扱いに極度の注意を必要とする