抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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原子核の内側ではπ
+中間子もπ
-中間子も同様に強く吸収されるが一表面領域ではπ
+は主に中性子に,π
-は主に陽子に吸収されやすい。従ってπ
+とπ
-の散乱データを比較することにより,原子核の表面の様子を知ることができるものと考えられている。しかし,過去に測定された700MeVでのπ-Pb非弾性散乱のデータを解析し直したところ,現在考えられている核内中性子分布とは矛盾することが判った。そこで,核子分布がこういう実験にどのよっな効果を不すのかを調べた。相互作用は,非相対論的な光学ポテンシァルによって記述した。前方のπ中間子-陽子散乱振幅には,既に得られている一組の位相差の値を利用し,核内運動はフェルミ気体模型で表わした。この計算によると.陽子の密度分布が既知であれば,π
+とπ
-の吸収断面積の比は,中性子の密度分布に敏感である。これに反し,光学ポテンシァルのパラメータの変化はほとんど影響しない。今回用いた光学模型は,第一共鳴領での弾性散乱の微分断面積に良く合うものではないが,この点自身も今後の検討に値するであろう。弾性散乱の微分断面積も,核子の分布に敏感な量である;写図3参8