抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ポリ塩化ビニル(PVC)を照射した場合着色とHClの発生がみられるが,市販PVCのように熱安定剤の添加されているものではこの現象に変化が起こる。すなわちある照射線量D
0まではこの現象はわずかしか起こらないが,それ以上になると線量増加にしたがって急激な変化が起こる。またステアリン酸鉛を安定剤とした場合には不溶性になるが有機すず化合物誘導体を安定剤に用いたものでは50Mrad以上まで可溶性である。この報告ではこれらの安定剤を加えたPVCの着色と導電率を測定し,実際に安定剤が消費されるまでの線量を求めると共にPVCに対するγ線の作用のメカニズムについて考察した。安定剤が消費されたとみられる線量D
0と安定剤の初濃度cの比は両実験で一定になるが,着色測定に比べると導電率測定の結果の値は大分大きい。ステアリン酸鉛の安定作用がHClの固定であり,HClはPVCの崩壌には触媒的作用を与えないとすると,重合体に生じたラジカルが二重結合となって安定化する際発生するCl原子を固定することにより連鎖的にラジカルの発生を抑えていると考えられる。HClのG値をこの測定から求めるとG=7.5±0.8であり,有機すず化合物ではG=13±1(前者は導電率測定,後者は光学測定)でいずれもESRによるラジカル発生のG値に比べて大きい;図1表3参14(松本昭)