抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Santon培地に添加した
75Seは,B.C.G.の有機構成成分のうち,おもに含Sアミノ酸に,次いで脂質に取り込まれる.B.C.G.には特殊な含Se成分は存在しないが,SeとSとの相競性から含S成分は含Se成分に成り代る.また,Seは,Sよりも細胞膜を透過し易く,一度細胞内に入るとアミノ酸に選択的に取り込まれて,Se-シスチン,Se-メチオニンになることは確からしい.水または適当な緩衝液(アルカリ側にpH調整)で抽出すると,可溶性たんぱく質内に取り込まれたSeのある部分が分離できる.しかしながら,大部分のSeは,細胞内たんぱく質に固定され,長時間の加水分解によって初めて分離し得る.このようなSeの取り込みの大きさは,B.C.G.だけの特性ではなくて,生細胞における一般的な生化学的現象のようである.
75Seは,物理的諸性状およびその取り込みの高さ,ことに細胞内たんばく質への固定から考えて,細菌のin vivo標識化の面で優れた元素である;図3表8参14(小島 栄一)