抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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水蒸気およびこれに関係した系の電気的解離によるものの-180°Cにおける凝縮生成物をレーザーラマンスペクトルで測定した。無定形状態の媒質中に捕獲された中間生成物を研究するために全反射型のセルを考案し使用した。結果は過酸化水素に特有のO-O伸縮帯が878cm
-1に最大の強度で観測される以外に500cm
-1および700cm
-1に第二および第三のの強度の帯が認められる。とくに酸素を過剰に含む系(H
2O
2蒸気またはH
2O-O
混合物)では820-830cm
-1および430-440cm
-1の付近に弱い帯が観測される。なお後者では1025cm
-1の帯により,凝縮したオゾンの存在が確認されるし,また場合によっては1120cm
-1付近に他の微弱な帯も認められる。ただしこの両者の強度比は試料の部位により異り,構成が均一でないことを示している。さらに
180による同位体シフトの研究から,これらのラマン帯の原因が酸素原子の振動であることが判明した。重水素系では新発見の帯は幅狭く強度が優るが,水素系でも結果は本質的に同じである。またこの研究と,従来の赤外スペクトルの原因がH
2O
3およびH
2O
4との解釈は一致している(竹内望)