抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
日本では工学シミュレーションの品質保証のために,人材教育と品質マネジメントシステムの構築の両面から課題に取り組んでいる。本論文では,後者に向けて日本計算工学会のHQC(High Quality Computing)研究会が編纂した学会標準でのV&V(Verification and Validation)の考え方を示した。まず,米国機械学会が出版したASME V&V10-2006の妥当性確認では,従来の有限要素解析では考慮されていなかった不確かさの検討を要求していることを説明した。一方,S-HQC002:2015では,1)解析計画の再確認,2)検証過程の再確認,3)理想化(モデル化)の適切性の確認,4)独立した手法の結果との比較という手順で妥当性確認を行う。3)では数理モデルを把握することでQOI(Quantity of Interest)の選択や,数式の係数に含まれる不確かさのパラメータ化などでのメリットが得られる。また,不確かさのモデリング・シミュレーション法として,複合材料や金属3Dプリンティングの成形・造形プロセスに対する確率的マルチスケールモデリングとロバスト設計を展開している。さらに,設計手順において,i)業務範囲の明確化,ii)解析計画書,iii)解析の妥当性確認のタイミングでレビューを行うとしており,レビューができる高度な技術者の人材育成が必要であることを論じた。