抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東京電力福島第一原子力発電所事故は,放射性物質の大量拡散をもたらした.食品の放射性物質による汚染は低い水準に抑えられているものの,放射性物質がこれまで直面したことのなかった危害因子であることから,消費者は不安と混乱のなかに置かれている.本論文では,食品中の放射性物質に関する科学情報をスライドショーとしてまとめ,このスライドショーによって消費者の意識がどのように変化するかを分析した.福島県と首都圏,関西圏に住む消費者を対象として,農産物としてキュウリを選び,インターネットを用いて調査を行った.福島県産の農産物は消費者に忌避されており,スライドショーは消費者の選好を変化させていた.本論文は,科学的な情報提供の有効性を示すものであるが,スライドショーに対する見方が分かれていることは,放射性物質に関するコミュニケーションの難しさを示している.不安の程度が比較的小さい消費者に対して,客観的データを提供することが有効だろう.(著者抄録)