抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,現代のものづくりの世界に対する見方考え方を中学生に育むために,道具や機械等の労働手段のあり様,労働者の連携のあり様へ注目しやすい疑似体験教材及び指導法の開発を目的とする。筆者らは,これまでに,中学校技術・家庭科技術分野の「ガイダンス的内容」として,人間が道具を介して材料に働きかけ,使用価値のある物をつくるというものづくりの構成要素とその関係を,生産的活動の中で子どもにつかみ取らせることを目的とした「技術ゲーム」と称する教材及び指導法を開発してきた。本研究は以下の手順で研究問題を解明する。1)現実社会のものづくりにおける道具や機械等の労働手段のあり様と,労働者の連携のあり様について中学生が注目しやすい疑似体験教材の設定及び指導法を検討する。2)開発した実験授業を通してその有効性を検証する。検証方法としては,開発した二つの授業の前後に実施した質問紙調査の回答結果から,子どもの認識の変容を考察する。また,授業中の子どもの言動等についても考察の参考とする。本研究は,現実社会のものづくりを疑似体験させるために開発した教材「技術ゲーム」を用いて,「道具の影響をつかむ授業」と「個々を生かす分業を考える授業」との二授業時間で構成した授業実践を通して,その教育効果について検証した。検証の結果,現実社会のものづくりの疑似体験後,労働手段の側面と生産様式の側面を「道具」と「(集団)分担」として二層に分けて提示し,それぞれの層に対する子どもの気づきを取り上げた後に「道具選択」,「個人技能」,「作業内容」及び「ロスタイム」の四観点でまとめる授業が,集団で実施する現実社会の多くのものづくりをとらえる見方の形成に有効であったことを明らかにした。