抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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この研究では,1992~2005年の成層圏内部のBrewer-Dobson循環(BDC)に統計的に有意な変化があったか否かを検出するために,HALOEのメタン(CH
4)データの時系列を使った。HALOE CH
4鉛直分布は,混合比vs.気圧高度に関して,南半球と北半球の緯度帯に分類された。これらの時系列を分離し,次に,多重線形回帰(MLR)技術を使用して,解析した。北半球に対するCH
4傾向の項は,50~7hPaの10°Nで有意かつ正で,20~7hPaの約3%/10年の対流圏のCH
4の傾向より大であった。60°Nでは,この傾向は20~7hPaで明らかに負であった。これらの結合傾向は,これらの年の北半球の中間成層圏におけるBDCの加速を指示し,多分,波動活動の影響からの変化によると思われた。南半球に対しては,類似の有意のBDC加速は見られなかった。HALOE H2Oからの傾向を一貫性に対して解析した。CH
4によるこれらの相互傾向は,CH
4がH
2Oに化学的に酸化される中間及び上部成層圏において,質的に反相関した。逆に,下部成層圏におけるこれらの相互傾向は,熱帯性成層圏への進入時の傾向によって支配された。下部中間圏におけるCH
4に対する時系列残差もまた,ある場合には,トレーサ状種のHClとの,幾つかの事例において,反相関する構造を示した。これらの時折の非周期的構造は,一時的な冬季の波動活動に伴う輸送の影響を指示した。観測した複数年のCH
4の帯状平均分布を使って,中層大気内の波動誘起輸送の主要な事例を診断し,成層圏BDCの変動を検出できる事を結論した。(翻訳著者抄録)