文献

J-GLOBAL ID：201602206714364671   整理番号：16A0185073

植物の生存・成長戦略から見た環境突破力-6 環境ストレスを突破するための植物細胞の成長制御機構

著者 (2件)： 柴田美智太郎 (理研 環境資源科学研究セ) ,  杉本慶子 (理研 環境資源科学研究セ)
資料名： 化学と生物
巻： 54  号： 2  ページ： 117-122  発行年： 2016年01月20日 
JST資料番号： G0527A  ISSN： 0453-073X  CODEN： KASEAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 発芽した場所から移動できない植物は,自身の置かれた環境で生き抜くために,外部環境に応答した柔軟な器官成長を行うことができる。本稿では,シロイヌナズナにおける知見を中心に,胚軸と根毛を例に環境に応答した植物細胞の成長制御機構を解説した。1)細胞を伸長させる仕組みとして,1)植物細胞壁の構造,2)膨圧による細胞伸長,3)細胞壁のゆるみを引き起こす因子,4)核DNA量と細胞サイズ,を説明した。次に,環境に応答した脂肪伸長:胚軸として,1)光による細胞伸長制御,2)高温による細胞伸長制御,3)概日時計による細胞伸長制御,4)植物ホルモンによる細胞伸長,を説明した。最後に,環境に応答した脂肪伸長:根毛を説明した。ここでは,細胞が伸長する仕組みと,細胞成長を誘導するシグナル伝達を分けて紹介した。現在のところ,環境からのシグナル伝達経路が明らかになりつつあるが,細胞が伸長する分子機構まで直接につながっていない。

シソーラス用語： ストレス ,  *Arabidopsis thaliana ,  *植物細胞 ,  *成長調節 ,  形態形成 ,  胚軸 ,  根毛 ,  細胞壁 ,  圧力 ,  含有量 ,  経路 ,  細胞情報伝達
準シソーラス用語： 環境ストレス ,  *シロイヌナズナ ,  *成長制御 ,  器官形成 ,  器官特異性 ,  細胞伸長 ,  膨圧 ,  核DNA量 ,  シグナル伝達経路

分類 (1件)： 発生,成長,分化  (EH02030U)

引用文献 (37件)：

• 1) L. Braidwood, C. Breuer & K. Sugimoto: <i>New Phytol.</i>, <b>201</b>, 388 (2014).
• 2) E. Forouzesh, A. Goel, S. A. Mackenzie & J. A. Turner: <i>Plant J.</i>, <b>73</b>, 509 (2013).
• 3) D. J. Cosgrove: Curr. Opin. Plant Biol., 25, 162 (2015).
• 4) J. K. Rose, J. Braam, S. C. Fry & K. Nishitani: <i>Plant Cell Physiol.</i>, <b>43</b>, 1421 (2002).
• 5) D. J. Cosgrove: Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 6, 850 (2005).

タイトルに関連する用語 (7件)： 植物 ,  生存 ,  成長戦略 ,  環境 ,  環境ストレス ,  植物細胞 ,  成長制御