抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本では,楮は古くから紙の主原料として使用されてきた。しかしながら,現在では紙の原料は木材パルプであり,楮は一部の和紙に使用されるのみになっている。楮は,いくつかの品種があり,それぞれ特性が異なっているため,適した用途に分けて使用する必要がある。そこで本研究では,高知県内で和紙製造に使用される楮原料と楮紙の特性の違いについて基礎データをとり比較を行った。その結果,1)楮原料の試験結果:水分は9~10%,灰分は3~5%であり,紙の水分8%程度,灰分1~3%程度に比べると高くなっていた。水可溶分については那須楮が高くなっている。2)歩留まり:土佐楮やパラグアイ楮が高く,タイ楮は低かった。3)物性:パラグアイ楮紙の密度が他に比べると低く,その他はほぼ同じであった。引張試験では,縦方向と横方向を足した断裂長で比較すると,繊維幅が狭く繊維粗度の小さい那須楮が最も強く,パラグアイ楮が最も弱かった。などの知見を得た。