抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,学力が標準以下の学生を対象とし,因数分解の手法の適切な活用方法や関連の理解を促進する教材や表現方法を構築することである。なお,本研究で対象とする因数分解は,高等専門学校や高等学校の1年生の冒頭で学ぶ因数分解である。本研究では,展開と因数分解の構成を図で示し,それぞれの手法や公式の関係性を明らかにした。この図は,展開と因数分解の複雑さの違いを明確に示しており,「因数分解は展開の逆であるから展開ができればできる」という認識を変換させる指導の根拠となる。さらに,因数分解の手法の適用のためのフローチャートを作成した。因数分解のフローチャートは,問題に応じた手法を見つけ出す指導の教材となる。因数分解を行う時は,最初に,共通因数の有無,公式の適用の可否,たすきがけの検討を行う。これらが不適当である場合に,置き換え,2乗の差の作成,次数の確認へと進み,適用可能な手法を探す。適用可能な手法が見つかればその手法を適用する。その後,手法を適用して変形した整式に,再び,共通因数の有無からの検討を行う。この手順を繰り返すことで,最終的に公式や共通因数の括りだしへ帰着させ,因数分解を行う。この一連の手順を,本文ではフローチャートに示した。このフローチャートを用いながら因数分解を演習することで,利用すべき因数分解の公式と手法を判定する力を身につけることができると考える。