文献

J-GLOBAL ID：201602208440521867   整理番号：16A0215121

水田転換畑で栽培されるダイズの欠株に対する収量補償作用

Soybean Yield Compensation for Missing Plants in an Upland Field Converted from a Paddy Field

著者 (6件)： 高橋真実 (農研機構中央農業総合研究センター) ,  大野智史 (農研機構中央農業総合研究センター) ,  高橋明彦 (農研機構中央農業総合研究センター) ,  中山則和 (農研機構中央農業総合研究センター) ,  山本亮 (農研機構中央農業総合研究センター) ,  関正裕 (農研機構中央農業総合研究センター)
資料名： 日本作物学会紀事  (Japanese Journal of Crop Science)
巻： 85  号： 1  ページ： 51-58 (J-STAGE)  発行年： 2016年 
JST資料番号： G0811A  ISSN： 0011-1848  CODEN： NISAAJ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ダイズ栽培において,欠株が生じた際の個体群における収量補償作用を明らかにするために,北陸地域の水田転換畑で栽培されるエンレイに人為的に欠株を生じさせて,欠株の周辺株の整粒重を調査する試験を2ヵ年実施した.2ヵ年ともに,欠株の隣の株のみ整粒重の増加が認められたが,1株単独で欠株となった場合,両側の株の増収分は,対照区の1株当たりの整粒重の42%に過ぎず,減収を補償するには不十分であった.また,欠株の連続数の増加に伴い,隣の株の整粒重は増加傾向を示したが,増加の程度は非常に小さく,連続する欠株数が増加するほど更に減収することが示された.以上のように,収量補償作用は,1株分の減収も補いきれないことから,生育初期の湿害や播種の不備等により,少数の欠株が散在する場合でも,必ず減収することが明らかとなった.安定した収量を確保するために,欠株を避ける圃場管理が求められる.(著者抄録)

シソーラス用語： *ダイズ ,  転換畑 ,  *作物収量 ,  栽培管理 ,  穀粒 ,  種子 ,  北陸地方
準シソーラス用語： *エンレイ ,  子実収量

分類 (1件)： 豆類  (FC03035U)

引用文献 (9件)：

• Caviness, C.E. 1961. Effects of skips in soybean rows. Arkansas Farm Res. 10 (4): 12.
• 藤本堯夫・Suriadinata, A.C. 西尾隆・金森哲夫 1988. 窒素供給時期とダイズの収量形成. 北農 55: 41-49.
• 池永幸子・村上敏文・小林浩幸・山本伸夫・好野奈美子・内田智子 2009.麦類を利用したリビングマルチ栽培における大豆の根系分布. 根の研究 18: 15-19.
• Kato,M., Minamida,K., Tojo, M., Kokuryu, T., Hamaguchi, H. and Shimada, S. 2013. Association of Pythium and Phytophthora with pre-emergence seedling damping-off of soybean growth in field converted from a paddy field in Japan. Plant Prod. Sci.16: 95-104.
• 西尾隆・鳥山和伸・関谷博幸・古賀野完爾 1997. 転換畑土壌の窒素代謝能の経年変化とダイズの収量. 土肥誌 68: 659-666.

タイトルに関連する用語 (6件)： 水田転換畑 ,  栽培 ,  ダイズ ,  株 ,  収量 ,  補償作用