抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,実対称正定値帯行列向けの一般化固有値解法を提案する。提案法は,Elsnerらによって提案された三重対角行列の一般化固有値問題の分割統治法の拡張であり,三重対角行列向け解法の統治フェーズを繰り返し適用することで一般の帯幅の帯行列の固有値問題を解く。近年のマルチコアCPUの普及と性能向上により,マルチコア計算機に適した数値解法の重要性はますます高くなっているが,問題を標準固有値問題に変換して解く従来法はデータ再利用性の低い演算を多く含むため,マルチコア計算機上で高い性能を実現することが難しい。一方,提案法では演算のほとんどが行列積として実行され,従来法に比べて高い実行性能が実現できる。Intel Xeon E5-2660 2ソケットを備えるマルチコア計算機における性能評価では,次数10240の五重対角行列の一般化固有値問題を解くとき,提案法は,従来法の3.18倍高速であり,219GFLOPS(ピーク性能比77.6%)の高い性能を示すことが確認された。(著者抄録)