抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,内モンゴル自治区阿拉善左旗東縁地域における土地環境条件をふまえ,巴彦喜桂集落のヒマワリ単一生産を特徴とする営農状況と環境政策の受容プロセスを検討した。この集落は,牧畜を生業としてきたモンゴル族が転出した後に流入した回族の世帯が多数を構成し,黄河河岸を農地として利用しながらヒマワリ生産を展開している。2000年前後に建設された黄河の新たな堤防は,ヒマワリ生産における洪水のリスクを一定程度回避することを可能とした。この集落の世帯は,自らの子弟を集落内で分家独立させることで世帯数を増加させてきた。親の世代が引退すると,その農地の使用権を子世代が引き継ぐことによりヒマワリ生産の規模を拡大している。ヒマワリ生産は地力低下や塩害が顕在化しつつも高収益であり,政府による補助金や牧畜,大型トラクターによる農作業の請負をあわせ,各世帯は内モンゴルの農村地域のなかでも高い所得を得ている。他地域では都市部への若年層の人口移動が顕在化するなかで,この集落では各世帯が乗用自動車を購入し,集落内で住居を新築するなど生活レベルの向上を果たしている。(著者抄録)