抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
非晶質窒化炭素(CNx)は高い硬度と弾性回復率を有し,DLCに代わるハードディスク表面の保護膜への適用が期待されている。本研究では,RF反応性スパッタリングによるCNx 膜形成におけるスパッタガス中のN
2分圧と試料台電位が膜構造と機械的特性に及ぼす影響について調べた。生成物はDLCと同様の構造であり,Nの含有率は最大でも25%程度である。試料台電位をアースにした条件で作製した場合は,N
2添加とN
2分圧の増加に伴い,C=N,C≡Nおよびグラファイト成分が増加し,硬度が低下する。一方,試料台電位をフローティングにした場合は,スパッタガスへのN
2の添加により成膜速度は急激に増加し,硬度が低下した。試料台電位をアースにした条件で作製した試料と比較すると,いずれも硬度は低く,スパッタガスにN
2を添加して作製した場合において,C=NおよびC≡N結合成分が多いことがわかった。CNx 膜の摩擦係数は膜構造や窒素含有率と相関を示さず0.2前後で,一部の皮膜は大気中でも超低摩擦現象が発現する可能性があることが明らかになった。以上の結果から,適切なN
2分圧および試料台電位で成膜することにより,CNx膜の構造および機械的特性の制御可能性が示唆された。