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J-GLOBAL ID：201602214094318561   整理番号：16A0306172

コヒーレントな分子間双極子-双極子カップリングを実空間で可視化する

Visualizing coherent intermolecular dipole-dipole coupling in real space

著者 (11件)： ZHANG Yang (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  LUO Yang (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  ZHANG Yao (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  YU Yun-Jie (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  KUANG Yan-Min (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  ZHANG Li (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  MENG Qiu-Shi (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  LUO Yi (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  YANG Jin-Long (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  DONG Zhen-Chao (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN) ,  HOU J. G. (Univ. Sci. and Technol. of China, Anhui, CHN)
資料名： Nature (London)  (Nature (London))
巻： 531  号： 7596  ページ： 623-627  発行年： 2016年03月31日 
JST資料番号： D0193B  ISSN： 0028-0836  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： イギリス (GBR)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 生物系と人工系のいずれにおいても,多くの重要なエネルギー輸送過程や光学的過程は,複数の発色団にまたがる励起子カップリングに強く依存している。原理的には,そうしたカップリングは,関与するコヒーレントな分子間双極子-双極子相互作用を考慮することによって容易に記述できる。しかし実際は,従来の光学機器には回折限界があるため,コヒーレントな双極子カップリングや関連する励起子の非局在化を実空間で直接観測することは困難である。今回我々は,走査トンネル顕微鏡の探針からのトンネル電子によって生じた高度に局在化した励起と,その結果生じる発光のイメージングを併せて用いると,明確に定まった数個の亜鉛フタロシアニン分子の配列における励起子カップリングの空間分布をマッピングできることを実証する。二量体中の励起子の発光パターンが,さまざまなエネルギー状態について記録され,σ分子軌道とπ分子軌道に類似していることが見いだされた。さらに,得られた発光パターンから,系が局所的に光応答し,その局所的光応答が二量体中の個々の分子の遷移双極子の相対的な配向と位相に依存することが明らかになった。我々は,亜鉛フタロシアニン分子を4個まで直線状に並べて全体の遷移双極子を大きくし,その結果として部位選択的な励起時のこのオリゴマーからの「単一分子」超放射が増大することを示す。今回の知見は,我々の実験的手法によって分子系のコヒーレント双極子-双極子カップリングに関する詳細な空間的情報が得られることを実証している。こうした情報を利用すれば,集光構造や量子光源のより深い理解と,合理的な設計が可能になるはずである。Copyright Nature Publishing Group 2016

シソーラス用語： 発色団 ,  *双極子相互作用 ,  *分子間相互作用 ,  *励起子 ,  二量体 ,  π電子 ,  E1遷移 ,  超放射 ,  *エレクトロルミネセンス ,  走査型トンネル顕微鏡
準シソーラス用語： σ電子 ,  遷移双極子 ,  双極子-双極子相互作用

分類 (2件)： 有機化合物のルミネセンス  (BM08094A) ,  励起子  (BM02120E)

物質索引 (1件)： 亜鉛フタロシアニン

タイトルに関連する用語 (5件)： コヒーレント ,  双極子 ,  双極子カップリング ,  実空間 ,  可視化