抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地中熱利用システムは比較的浅部の地中の熱エネルギーを冷暖房や融雪などに利用する省エネルギー技術のひとつであり,ヒートアイランド抑制効果がある。本研究では,地中熱ポテンシャル評価の高度化に資するため,青森県西部の津軽平野を対象として熱交換シミュレーションやヒートポンプ性能(COP)の推定等の各種解析を行い,熱交換マップとCOP分布図を作成した。その成果は以下のとおり。1)熱交換マップとCOP分布図では津軽平野の周辺部と上流域では熱交換量とCOPが高く分布しており,中央部とその下流域では低い傾向を示した。弘前市,黒石市,浪岡町の主要な都市域では地中熱利用の高いポテンシャルが示された。2)広域の地下水流動解析から得られた地下水の流速は平野周辺部で高い傾向を示した。地域ごとの地下水流速の差異が平野内の熱交換量とCOPの分布に影響を及ぼしていると考えられる。3)熱交換シミュレーションから得られた津軽平野内の最大熱交換量は29W/m,最少は15W/mであり,その差は約1.9倍となった。ヒートポンプの性能曲線を用いて推定したCOPは最大4.9,最小3.6で,約1.4倍となった。4)ヒートポンプの性能曲線に基づいて,暖房利用だけでなく冷房・融雪利用のためのCOP分布図を作成した。