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J-GLOBAL ID：201602215191868670   整理番号：16A0012284

土壌微生物情報を利用した土壌病害防除の可能性

著者 (1件)： 藤永真史 (長野県農試)
資料名： 土と微生物  (Soil Microorganisms)
巻： 69  号： 2  ページ： 97-99  発行年： 2015年10月01日 
JST資料番号： L1734A  ISSN： 0912-2184  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 農業者にとって厄介な土壌伝染性病害は,特定の畑により「連作」されることが主たる原因だと考えられる。しかし,農業者が複数品目を輪作し,経営することは難しい。そのため,しばしば土壌消毒が防除対策技術として励行され,農業者の大きな負担となっている。また,土壌消毒効果の安定性・持続性に対する農業者の不安もあり,土壌改善(土づくり)に対する期待も大きい。近年,分子生物学の飛躍的進展により,土壌の生物性を解析できる遺伝子解析法が開発され,長野県の萎黄病発生履歴のあるセルリー圃場で検討を行った。その結果,土壌消毒処理により,土壌中の多様性は低下するもののその後は回復する。しかし,圃場毎にその回復には差が認められ,土壌消毒処理後,多様性が速やかに回復する圃場は,萎黄病の発生は少ないが,回復が遅い圃場は,萎黄病が多発する傾向にあった。現状では,これらの診断ができるのみで,農業者が知りたい「どうすれば防除できる?」「どうすれば発病しにくい土になる?」といった土壌改善(土づくり)の処方にはほど遠い。今後,土壌,土壌微生物,土壌病害の専門家などが一層連携し,新たに生まれてくる課題に取り組んでいくことが期待される。(著者抄録)

シソーラス用語： *土壌微生物 ,  *植物病害 ,  土壌伝染 ,  殺菌 ,  土壌管理 ,  *土壌改良 ,  解析 ,  長野県 ,  萎黄病 ,  セロリ ,  PCR法 ,  ゲル電気泳動
準シソーラス用語： PCR-DGGE法 ,  遺伝子解析 ,  土壌消毒 ,  土壌病害

分類 (2件)： 土壌学一般  (FB04010V) ,  微生物による植物病害一般  (FC04051H)

引用文献 (8件)：

• 雨宮良幹(2009)微生物と植物の相互作用-病害と生物防除-,ソフトサイエンス,東京,80-83
• 藤永真史・山岸菜穂・石山佳幸・松下裕子・對馬誠也(2012)土壌eDNA解析による土壌消毒後圃場におけるセルリー萎黄病多発生要因究明の試み,日植病報,78,204(講要)
• 星野(高田)裕子・松本直幸・西村範夫・藤田和久・紀岡雄三(2005)病害防除と微生物多様性-土壌消毒が微生物群集及び植物病原菌に与える影響解析-,土と微生物,59,77-82
• 百町満朗・對馬誠也(2009)微生物と植物の相互作用-病害と生物防除-,ソフトサイエンス,東京,10-17
• Murakami H, Tsushima S, Shishido Y. (2000) Soil suppressiveness to clubroot disease of Chinese cabbage caused by Plasmodiophora brassicae. Soil Biol. Biochem., 32,1637-1642

タイトルに関連する用語 (4件)： 土壌微生物 ,  土壌 ,  病害防除 ,  可能性