抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
Web上で実施されるテスト(eテスティング)では受験者の回答結果から理解度を推定するが,理解度の判定を間違える誤り率を理論的に最小化する方法が検討されていない。本論文では,eテスティングを統計的決定理論に基づいて定式化し,ベイズ基準の下で誤り率を最小にするeテスティング方法を動的計画法を適用して算出する方法を提案した。本方法では各理解度の下で各回答結果が発生する確率を既知とし,受験者にテスト問題を1問ずつ出題して回答結果に従って次の出題問題を適応的に選択する方法と,最終的に受験者の理解度を推定する方法からなる。受験者の理解度に関する事前知識がない場合を想定し,テスト問題8題から4問を出題する場合の数値計算例を示した。その結果,適応的に出題問題を選択し,理解度の推定結果はベイズ基準の下での誤り率の最小化は保証されているが,各推定結果に伴う事後確率は十分に高くない結果も見られ,追加出題を行うような仕組みを検討すべきことが示唆された。また,1問ずつの出題に対して最適化するアルゴリズムに基づく従来研究と比較したところ,出題数全体に対する最適化を行う提案法とは選択される問題が異なり,提案法の期待誤り率が約0.001小さくなった。