抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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二次元弾性問題の解析解を求める研究においては,複数の境界を持つ多重連結領域の問題の中でも,等方性材料からなる円筒については,複素応力関数の円柱座標形式表示が可能であるため,容易に応力,変位場を決定することができる。前報で述べたように異方性を示すだ円筒の場合,例え内外二境界が焦点を同じくするだ円群で構成されていたとしても,等方性の場合のように同心円領域には変換されない。本研究では,一般的な異方性弾性材料からなるだ円筒の両側面に面外せん断荷重が作用する際の解を示した。面内荷重を対象とした前報に続き,拘束解除法を用いて解を導き,円筒を対象にいくつかの数値計算を行った。円筒については,面外せん断荷重を対象とした研究が見当たらないため,本文の解の妥当性は,中山らが無限体中に存在する孔に対向集中荷重が作用する場合の解を用いて検証した。その結果,本文の解の妥当性が確認され,集中荷重のほかにこれを近似した分布荷重についても計算例を示した。計算例では筒の内外二境界が焦点を同じくする共焦だ円群の場合についてのみ行ったが,焦点を異にする場合についても問題なく解を得ることができる。