抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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臭いと繊維に関する研究は,香り濃度測定装置を用いた報告や,天然繊維とアンモニア臭の関係などと僅少であり,素材に応じた消臭対策の適否は明らかではない。そこで,本研究は,代表的な不快臭であるタバコ臭に着目し,各種繊維素材からなる布に付着したタバコ臭の吸着と拡散の過程について,ニオイセンサーおよび官能評価によって比較した。併せて,繊維製品の品質をできるだけ損なわない消臭方法について被服管理の観点から検討することを目的とした。その結果,タバコ臭の臭いおよび煙による汚染が高い繊維は半合成繊維のアセテートであり,合成繊維は全般的に低いことから,長期間タバコ臭に曝されるような状況における繊維素材からなる製品には,合成繊維が向くと判断された。特にアクリルは吸着性および拡散性ともに低かった。しかしながら肌着などは天然繊維や天然素材を原料にした再生繊維のニーズが高い。日常生活ではひとつの服種だけを着用して過ごすことは稀で,複数のアイテムを組み合わせ,何枚か重ね着することから,混用された場合と併せて,実際の着用状況を想定した検討も必要であろう。