文献

J-GLOBAL ID：201602215983945477   整理番号：16A0105988

砂フィルターにより硝化されたメタン発酵消化液の水耕液肥としての利用

Nitrification of Methane Fermentation Digestive Liquid by Sand Filtration and Its Application to Hydroponics as a Fertilizer

著者 (2件)： 峯洋子 (東京農業大学農学部) ,  高畑健 (東京農業大学農学部)
資料名： 園芸学研究  (Horticultural Research (Japan))
巻： 14  号： 4  ページ： 349-356 (J-STAGE)  発行年： 2015年 
JST資料番号： L4829A  ISSN： 1347-2658  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： メタン発酵消化液の肥料としての適用場面拡大を図るために,水耕での利用を検討した.消化液はアンモニア態窒素を多く含むため,そのまま水耕に用いると作物にアンモニア害,亜硝酸害を引き起しかねない.そこで循環型養液栽培で一部導入されている除菌用砂フィルターの硝化能を活用することを試みた.消化液を砂フィルターで循環ろ過させたとき,ろ過面積0.0079m²の熟成フィルターの硝化速度は1日当たり約180mgNとなった.フィルターに流入させるアンモニア態窒素の濃度が高いと,硝化の中間産物である亜硝酸態窒素が蓄積しやすかった.硝酸態まで完全硝化させた消化液を用いてコマツナの湛液水耕を行ったところ,リン酸と微量要素を補うことで,地上部新鮮重が慣行とほぼ同等となった.さらに,砂フィルター付きNFT栽培システムにおいて,消化液原液で追肥しながらコマツナを栽培した結果,地上部新鮮重は慣行と同等となったが,草丈は慣行よりも低くなった.消化液に多く含まれるK,Na,Clなどが栽培期間中に培養液へ蓄積していったことが,草丈低下の原因と考えられた.実用的な利用のためには,これら過剰成分蓄積への対策を含め,今後,さらなる検討が必要である.(著者抄録)

シソーラス用語： *液体肥料 ,  *発酵液 ,  *水耕 ,  砂 ,  濾過 ,  アンモニア態窒素 ,  硝化 ,  硝酸態窒素 ,  *コマツナ ,  施肥 ,  フィルタ ,  バイオガス
準シソーラス用語： NFT【栽培】 ,  *メタン発酵消化液 ,  亜硝酸態窒素

分類 (2件)： 野菜  (FC03043X) ,  施肥法・肥効  (FB05030Y)

引用文献 (43件)：

• Aboutalebi, A., M. G. Jahromi and M. H. Farahi. 2013. Evaluation of growth and yield of organically-grown basil (Ocimum basilicum L.) in soilless culture. J. Food, Agri. Environ. 11: 299-301.
• Atkin, K. and M. A. Nichols. 2004. Organic hydroponics. Acta Hortic. 648: 121-127.
• 千吉良敦史・中村耕士・山本二美.2010.メタン発酵消化液から得られたろ液の施用がトンネル初夏どりネギの生育および収量に及ぼす影響.千葉農林総研研報.2: 95-98.
• 土井真也.2009.飼料イネ栽培におけるメタン発酵消化液の液肥利用.畜産技術.654: 17-19.
• Ezzine, M. and M. H. Ghorbel. 2006. Physiological and biochemical responses resulting from nitrite accumulation in tomato (Lycopersicon esculentum Mill. cv. Ibiza F1). J. Plant Physiol. 163: 1032-1039.

タイトルに関連する用語 (6件)： 砂 ,  フィルター ,  硝化 ,  メタン発酵消化液 ,  水耕 ,  液肥