抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では高木晴夫先生(以下敬称略)が長年手掛けてこられた組織論研究の全体を展望し,その体系を確認するとともに,その経営学上の意義,関連諸理論との関係や位置付けなどを明らかにし,今後さらに究明が期待される課題などを総合的に考察している。高木の研究は現代的な経営変化である情報化,多様化,多変化面に着目し,その進展がネットワーク化をもたらしたこと,ネットワークを構成するagentは自律的,能動的に行動する存在であること,その組織行動はイノベーションを生む動因になる,などの強い理念からなされたものであるとみられる。このような研究背景から,高木の研究は情報化やネットワーク化がもたらすイノベーション論に始まり,ネットワーク組織としてのpoly-agent-system論,そしてネットワークリーダーシップ論に推移し,法政に移られた昨今では,再びイノベーション論を手掛けようとしておられる。これらはその時々のトピックスを捉えた研究のようにもみえるが,実はネットワークの中でも最もダイナミックなものがpoly-agent-systemであり,これを機能させるにはネットワークリーダーシップが必要で,その成果として求めるものはたとえばベンチャービジネスにみるようなネットワーク型イノベーションで,これらの研究は現代の動的組織についての一貫した課題を追究したものとみられる。Poly-agent-system論は,1990年代に台湾のスタン・シーのクライアント・サーバー・システムおよびハーバードのモジュール化経営論と,ほぼ同時にそれぞれ独自に提起された理論であるが,poly-agent-systemはクライアント・サーバー・システムをより広汎に一般化した上位理論であり,モジュール化論との比較では,前者が対象とする広範囲なネットワーク協業で,最もダイナミックな局面に特化したモデルとしての存在価値があると推測する。...(著者抄録)