抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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【目的】管理栄養士養成における公衆栄養学臨地実習について,学生の実習に対する意欲,態度およびコンピテンシーに基づく実践的能力を臨地実習の前後で把握することにより,公衆栄養学臨地実習による教育効果を評価することを目的とした。【方法】2012年7月~2013年2月にかけて,京都府内管理栄養士養成校学生219名を対象として公衆栄養学臨地実習に関する自記式アンケートを実習前後で実施した(平均年齢21.3歳,女性95.4%)。事前アンケートは,性,年齢等の他,「専門的実践能力」に関するコンピテンシー23項目(基本4項目,共通8項目,職域別3項目,モデルコア8項目)を含む計28項目,事後アンケートは,事前アンケートに,事前課題内容や健康・栄養教育の関わり方等を含む計37項目とし,臨地実習前後で実施した。各アンケート項目は,割合を算出した。各コンピテンシー項目は5段階評価を点数化した得点を算出し,健康・栄養教育実施別に,臨地実習前後のコンピテンシー得点の平均値の差を比較した。臨地実習前後のコンピテンシー得点の変化量の比較には,実習前の値を共変量とする共分散分析を行った。【結果】事前アンケートにおいて,「基本コンピンテンシー3項目(「意欲」4.39,「態度」4.22,「価値観」3.83)が,他項目と比較して高得点を示した。一方,職域別コンピテンシー2項目(「地域アセスメント」2.51,「社会資源の把握」2.70)及び「他職種の役割・相互関係」2.35が低得点を示した。事後アンケートにおいて,健康・栄養教育の関わり方は,「見学」94.5%,「実施」65.3%,「企画」25.6%,「アセスメント」1.4%,「評価」2.3%であった。実習前後のコンピテンシーの平均得点の比較において,全体では,共通コンピテンシー5項目(p<0.01),職域別コンピテンシー3項目(p<0.01)を含む15項目で有意に得点が上昇した。特に,「教育実施群」で実習前に比べて実習後のコンピテンシーの得点が高く,23項日中16項目で有意に得点が上昇した。【結論】公衆栄養学臨地実習のアンケート調査の結果,「教育実施群」において,ほとんどの項目で有意な得点の上昇が認められ,臨地実習で健康・栄養教育を実施することで教育効果が高められることが示唆された。(著者抄録)