抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1。インダストリー4.0について,一部分での判断や自分に都合よい解釈で誤解している人が多い。IoTは,「製品+ネット」(Internet of Products),「部品+ネット」(Internet of Parts)から,さらにその集合体である「業務プロセス+ネット」(Internet of Processes)に発展しつつある。インダストリー4.0は業務プロセスのIoT化であり,製造業だけでなく全産業に影響する。2。その狙いは,(1)米国クラウド企業が製造業で主導権を握ることへの対抗,(2)急増する新興国での需要への対応である。「モノからサービスへ」と同様に,製造プロセス(工場)をサービス化して,新興国企業に提供(水平分業)する。本部が現場からのデータを収集・分析し,適切な指示を出すことで,知的財産を守りつつ容易で効率的な運営を迅速に実現できる。ただし,1)データの利活用の主導権(データコントローラーの地位)争いと2)標準化に係る制度(デジュール)派と市場競争(デファクト)派の対立がある。3。日本企業は,一般に形式知化が苦手で現場主義・自前主義であり,ルール作りを軽視している。現場から本部への頭脳移転や水平分業のための社内部門切り出しへの抵抗が心配である。4。政策課題は,指導者の理解を深めつつ,データの扱い(利活用ルール,プライバシー・企業秘密の保護),仮想・現実空間双方の安全性確保,ネットワーク環境整備,顧客囲い込みの排除,標準作りへの参加支援,就労環境変化への対応などである。(著者抄録)