抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,桜島におけるマツ材線虫病に対する火山活動の影響を次の項目に沿って記述した。1)桜島がある地元では,「桜島の火山活動が盛んなときにはマツ枯れはほとんど見られず,火山活動が沈静化したときに被害が増える」と言われてきた,2)本稿では,これを野外での実証的な方法により調査した,3)火山活動の変化の推移の記録,4)被害状況の変化の記録,5)カミキリの生息状況の変化の記録,6)火山活動と被害量の相関の解析,である。その結果,降灰量が少なかった時期は被害量が多く,多かった時期は被害量が少ないことが認められた。また,火山灰が付着した樹木をカミキリが食べると灰も共摂食するために,カミキリの成虫の死亡率が上昇することも認められた。しかし,火山灰が多いとマツの生息も阻害された。以上のことから,今回の火山活動と被害量が同調していたのは,偶然の事象であった可能性が高いことを指摘した。