抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
広島市内の保育園または幼稚園に通園する3~6歳の幼児1,213名の保護者を対象とし,アンケート調査を行い,774名を解析対象とし,幼児への食教育と幼児の生活習慣,健康状態,食習慣および家庭で主に保育をする保護者の育児や食事に対する意識との関連について検討した結果,以下の結果が得られた。1)食教育得点において,平均点により高い者を「高い群」,低い者を「低い群」の2群に分類した。2)幼児の生活習慣および健康状態では,高い群は低い群に比べ,平日の就寝時刻が早く,平日のテレビ・ビデオ視聴時間が2時間未満の幼児が有意に多かった。3)幼児の食習慣および食事で心配なことでは,高い群は低い群に比べ,母親と朝食を食べる,朝食をほとんど毎日食べる,平日の朝食時刻が早い,間食を食べる場合夕食前2時間以内に食べることは少ない,間食内容を保護者が決める,記入日の朝食で主食,果物,牛乳・ヨーグルト・チーズを食べた,記入日の夕食で果物を食べた,食べるときの姿勢が悪い,箸の持ち方が悪い幼児が有意に多かった。一方,朝食を1人で食べる,記入日の朝食で菓子パン・菓子類を食べた,少食および偏食する幼児は有意に少なかった。4)保護者の食意識および育児についての心がけでは,高い群は低い群に比べ,食事作りを負担に思わない,食品を選んだり食事を整えるのに困らない知識や技術がある,バランスのとれた食事を心がけている保護者が多かった。一方,友達と遊ばせることを心がけている保護者は少なかった。5)保護者が受けた食教育では,高い群は低い群に比べ,保護者が小学生の頃に自分の保護者からよく言われていた全ての項目が有意に多かった。6)重回帰分析では,幼児に関する項目のうち食教育得点に影響していた項目は,間食を食べる場合夕食前2時間以内に食べることは少ない,平日のテレビ・ビデオ視聴時間であった。一方,保護者に関する項目のうち食教育得点に影響していた項目は,食事作りを負担に思わない,バランスのとれた食事をする,食品を選んだり食事を整えるのに困らない知識や技術があるであった。以上のことから,幼児への食教育の実践度の高さが幼児の生活習慣,食習慣に好影響を及ぼし,また,保護者の育児や食事に関する意識の高さが幼児への食教育の実践度の高さにつながると考えられる。...(著者抄録)