抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ラッカセイ葉に放射照度1.0 Wm
-2のUV-Bを照射し,波長300 nmから440 nmまでの多波長励起により蛍光スペクトル変化を測定した.併行して,320 nmの励起により蛍光画像を撮影し,葉表面における蛍光分布の変化を調べた.440 nmで励起した際のクロロフィル蛍光強度(F685)を基準として,各励起波長におけるF685の相対強度(S
λ)を求め,S
λの変化から,葉上面表皮の相対分光透過率の変化率(ΔRT
λ)を非破壊で見積った.UV-B照射によって短波長領域のΔRT
λは大きく変化した.UV-B積算照射量(H)が約100 kJm
-2を超えると,Hの増加に対してΔRT
λは指数関数的に増加し,蛍光画像においては,主葉脈付近において,青色蛍光とクロロフィル蛍光が周囲より強く観察される斑点が出現した.特にクロロフィル蛍光の赤斑点は,Hの増加に伴って葉の周辺部にも広がった.モデルを立て検証した結果,ΔRT
λの増加と赤斑点の増加は密接に関連している可能性があることがわかった.また,440 nmで励起した場合,F685と緑色蛍光F530の強度比であるF685/F530は,UV-B照射直後よりHに比例して単調に減少することがわかった.以上の現象は可視被害が発生する以前に観察されることから,本手法は,ラッカセイ葉に対するUV-Bの影響の早期検出と定量評価に有効であると考えられる.(著者抄録)