抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,ベトナムでは,市場経済化と国際化の進展とともに,都市部を中心に所得の向上,消費市場の拡大が注目されるようになっている。ここでは,こうした経済状況を踏まえながら,ベトナムにおける酒類産業の動向について概観するとともに,日本の本格焼酎産業とも関連させてベトナムの伝統的な蒸留酒製造の特徴について紹介する。酒類別に生産と消費の動向を整理してみる。1)米酒:ベトナムには米を原料にした米酒があり,大きく3つの種類に分けられる。ruou gao(原料米を使って発酵させ,蒸留させたもの),ruou can(大規模な容器の中で醸造されたもの),ruou thuoc(薬酒:植物と動物の成分を抽出させた蒸留アルコール)である。これらの米酒は,ベトナムでは最も一般的なタイプの酒であり,「自家製」酒といわれる。通常,地方の多くの家庭で造られ,そこで消費されている。この米酒の生産量は約240klと推定される。2)ビール:主に低価格のラガービールが消費を急速に伸ばしている。ビールの生産量は約320万klとされる。中・高級市場で地位を確立しているのが,外資系ビールメーカーの製品であり,大都市の高級パブや高級レストランなどを中心に,売上げを伸ばしている。3)その他酒類:バーやクラブではワインやスピリッツなどの需要が増えている。そのなかで,ウォッカは2つの国有会社が大規模蒸留所としての存在感を高めている。