抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2011年3月の東日本大震災で壊滅的打撃を受けた宮城ギンザケ養殖は2012年に再開されたものの,原発事故に伴う放射能汚染の風評被害を受け,チリ国からの輸入量急増で価格が大暴落し,立ち上がったばかりの宮城ギンザケ養殖経営を痛撃した。筆者らが農水省の調査研究テーマ「日本におけるサケ市場の把握」に取り組んだ結果について報告した。1)関東圏の消費者を対象としたインターネットアンケート調査で,サケマス商品に対する嗜好や認知度について分析した結果,宮城ギンザケが訴求すべき単は国産及び鮮度の良さであることが分った。2)日本へのギンザケ供給国であるチリにおけるサケマス養殖を分析した結果,チリでは養殖増産の可能性は低く,宮城ギンザケの脅威とはなり得ないことを明らかにした。またスーパーのバイヤーに対するヒアリング調査の結果,宮城ギンザケは季節商材として定着しつつあるものの,鮮度管理やPR不足の課題があり,出荷時期調整,品質管理について養殖経営と加工経営が一体となった取り組みが必要である。3)女川魚市場のデータで計量分析を行った結果,魚体サイズが大きくなる6月以降に集中出荷するため販売価格の下落を招いており,早期出荷などの調整を行う必要がある。4)4~6月の出荷時期を4期に分けて最適モデルの計算を行った結果,シーズン後半での集中出荷を改善し,早期出荷時の小サイズ品の需要創出が必要である。また卸売市場内外の先進流通業者と養殖経営の連携が必要である。