抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では切削表面に残留する塑性流動量と切りくず厚さの関係を単純化した切削モデルを用いて,塑性流動の生成が切削機構に与える影響を検討した。本報告ではSUS304の2次元切削実験を新たに実施するとともに,比較のために前報のC2801とA1100の実験結果も利用して解析結果を検証することによって,以下の点が明らかになった。1)全切削エネルギーは4つのエネルギーから構成される。すなわち,塑性流動がないとした際のせん断エネルギーと摩擦エネルギー,せん断エネルギー中の塑性流動の生成に消費されるエネルギー,摩擦エネルギーの増加分である。これらの各エネルギーはせん断ひずみとほぼ比例関係で表わすことができる。2)同一の切りくず厚さに対して,3種の材料でSUS304が最も流動量が多く生成する。また単位切削幅あたりの主分力に対する流動量では,SUS304はC2801と同程度でありA1100が最も多い。3)全切削エネルギーに対する,塑性流動の生成に起囲する摩擦エネルギーの増加分の占める割合はC2801,A1100とSUS304でそれぞれ,約1%,約1%と約4%である。また全切削エネルギーの増加分の占める割合はそれぞれ,約10%,約13%と約17%であり,SU3304は塑性流動の影響をより多く受ける。4)摩擦エネルギーに対する,塑性流動の生成に起因する全切削エネルギーの増加分の割合は,SUS304はC2801と同程度であるのに対してA1100が最も大きい。また,全切削エネルギーの増加分は,3種の材料ともに条件によっては摩擦エネルギーに匹敵しているかそれ以上になる場合もあるので無視できない。