抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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わが国では,地下水資源強化策として植林を行う事例が多いが,植林による地下水涵養強化を定量的に評価した研究は少ない。本研究では植林による地下水涵養の効果を定量的に把握するために,植生以外の立地条件が類似した植生の異なる2つの流域(植林流域と牧草流域)において,土壌コアから採取された土壌水と涵養源となる降水の同位体比を用いてDisplacement Flow Model(DFM)による両流域の地下水涵養量の比較を行った。研究地域の地下水涵養は夏季の豊富な降水量が主に寄与していることが示され,δダイヤグラムから採取された土壌水は蒸発などによる著しい同位体分別の影響を受けていないことが,明らかになった。降水の季節変動と不飽和土壌層内における土壌水の鉛直プロファイルを基にDFMを用いて最適値を検証した結果,年平均地下水涵養量は植林流域で1493mm/y,牧草流域で1920mm/yとなり,植林流域に比べ牧草流域における涵養量が30%程度大きい結果が得られた。この結果は,研究地域の表層土壌浸透特性が大きく影響している可能性が示唆される。(著者抄録)