抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,二千年紀の前半の日本における気候変動の復元である。復元のために,11世紀から16世紀までの京都付近の日天気記録を用いて,冬季の降雪比率と夏季の降雨日を計算した。次に,回帰分析を現在の天気と気温記録に適用し,この結果をもとに冬季と夏季の気温変動を推定した。さらに,気候変動の影響を調査した。主要な結果を下記に記す:1)冬季気温は1001年から1600年まで緩やかに低下した。特に1190年代,1160年代,1260年代,1330年代,1380年代及び1460年代はかなり低下した。2)夏季の気温は13世紀後半に向けて上昇し,そして1600年に向かって下降した。1140年代,1450年代,1560年代にかなりの下降があり,1270年代には特筆すべき上昇があった。3)15世紀,または13世紀には,中世温暖期から小氷期へと気候が変化した。12世紀の冬季の気温は現在よりも高い可能性があり,15世紀から16世紀には19世紀の初めよりも低い可能性がある。