抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ダイコンわっか症は,神奈川県三浦半島では1986年に最初の発生記録が残っており,それ以降問題になった障害と考えられる。葉に発生した白さび病菌を根部に接種すると病徴が再現された。また,わっか症の内部にはAlbugo属菌の菌糸と吸器が観察され,培養すると分生子と卵胞子が形成されることから,ダイコン白さび病菌(Albugo macrospora)が根部に感染した症状であると考えられた。ダイコン白さび病菌の発生生態の解明のため,ダイコンを周年栽培し,胞子の形成を調査したところ,葉では10月から翌年の8月上旬まで分生子の形成が確認されたが,卵胞子は確認されなかった。わっか症は10月下旬より翌年の7月まで発生が認められるが,自然状態では胞子の形成はほとんど認められず,採種時期まで栽培を継続すると4月,5月にわっか症内部に分生子と卵胞子が形成された。一方,採種時期には花,花茎,鞘に白さび病が発生し,分生子及び卵胞子が多数形成される。これらのことから,ダイコン白さび病の第一次伝染源としての卵胞子は,種子から供給されると推測された。葉での白さび病の発生と根でのわっか症の発生については品種間差が認められ,特に青首系以外の品種では葉での白さび病の発生は少なく,わっか症の発生は認められなかった。薬剤防除では,卵菌類に効果の高い剤を中心に,2015年6月1日現在,6剤がわっか症に対する登録を取得している。(著者抄録)