抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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秩父帯の付加体と四万十累層群を画する断層である仏像構造線(BTL)は,北薩地方の出水市付近から南方では大部分が海面下か若い地層に覆われている。西目地域では,海岸付近の狭い地域に秩父帯に区分される地層が散在し,内陸部には四万十帯に区分される地層が分布する。これらの先古第三系の露出は断片的であり,帰属についての解釈は研究者によって部分的に異なっている。本研究では,秩父帯側と四万十帯側の地層の分布域が近接している地域を詳細に地表地質調査を行い,両者の構造境界の位置を再検討した。西目地区の牛之浜海岸では,北西-南東方向に延びる逆断層変位の破砕帯を境に,南西側に泥質基質に石灰岩,チャート及び石灰岩の岩塊が含まれる混在岩(秩父帯の尾前ユニット相当層),北東側に砂岩泥岩互層からなる整然層が分布する。この破砕帯が仏像構造線に相当する断層と考えられる。中源田には尾前ユニット相当層と佐伯亜層群相当層が近接して分布している。両者の境界面は露出していないが,それらの分布域の間に秩父帯と四万十帯の境界が伏在すると考えられる。BTLに相当する地質構造境界は牛之浜海岸と中源田とを通っていると提案する。