抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2007年から9年をかけて行われてきたパナマ運河の拡張工事が,ついに6月末に完工し,新閘門による運用を開始した。パナマ運河を通航可能なコンテナ船の最大積載量については,パナマ運河庁のHPでは,5000TEUが最大であり,拡張後は13000/14000TEUの積載量の船舶の通航が可能になるとしている。拡張後のパナマ運河が,コンテナ輸送に関して,どの程度そしてどのように利用されるのかについて,オーバー・パナマックスのコンテナ船の受け入れ状況,船社の戦略,パナマ国内の動き,競合ルートの関係などの視角から検討を行った。パナマ政府やパナマ国内のコンテナ・ターミナルのオペレーターが意図するように,今後コンテナ船が運河を通航するだけではなく,運河の大西洋か太平洋側のいずれかで荷役を行い,パナマを中南米・カリブ海のハブと明確に位置づけるならば,大型コンテナ船の投入を含めた積極的な活用が期待され,通航量の増加が考えられる。またその結果,中南米とアジアやその他の地域との間に,従来からの天然資源や原料輸送に加えて,商品のトレードが促進されることが期待できる。しかしパナマ運河の利用促進の条件としては,通航料金が船社に受け入れられるレベルに設定されるかどうかにかかっている。パナマ運河を利用する最大の航路であるアジアと北米東岸間の貨物輸送は,競合する北米西海岸経由のインターモーダル輸送と,一部にはスエズ運河経由の海上輸送との関係で,常に競争力が変化するからである。