抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究はソーシャル・イノベーションの概念を明確にした上で,企業がソーシャル・イノベーションの主役となるためにどのような役割を果たしていくべきか,どのような課題があるのかを示し,企業によるソーシャル・イノベーションの仕組みづくりの方向性を示唆するものである。まず,先行研究に基づいて,ソーシャル・イノベーションの定義をレビューし,ソーシャル・イノベーションの到達点として「納得のできる生活世界の構築」を提起する。そしてソーシャル・イノベーションのプロセスの議論から,それを「自動的に」生み出す理想的な仕組みとは何かを論じる。その仕組みづくりのヒントを探るために,日本で実施されてきたソーシャル・イノベーションに関する調査報告書のサーベイを行う。サーベイの結果から,ソーシャル・イノベーションの成功要因を整理し,企業がソーシャル・イノベーションの仕組みづくりの主役になる必要性を主張したい。企業を主役に据えたソーシャル・イノベーションの仕組みについて,既存調査研究による成果と問題点を示した上で,特に企業の生存状態(企業内に活力があるかどうか)の観点から,「介業理念の浸透とそれに基づく戦略」と,企業の生存環境(企業の理念と努力を正当に評価する社会環境)の観点から,「多様な協働関係を可能にする社会環境」が重要だと強調する。とりわけ「協働関係」を可能にするプラットフォームを企業が主導して創ることを提案し,今後の課題としたい。(著者抄録)